2022-01-01から1年間の記事一覧

【参考資料】『臨済録』学習ノート(作成中)

はじめに 禅には、様々な語録がありますが、私が禅を学び始めた最初の頃に接し、その現代的な洗練に驚き、未だに繰り返し読むものは、臨済義玄(?~867)の言葉をまとめたものとされる「臨済録」です。日本の臨済宗において「録中之王」とされながら、仏教…

特別になりたいという精神性と禅における日常への回帰

「仏教とは元来、仏の教えであり、また仏になるための教えである」(注1)などと言われます。実際、瞑想等の仏教の実践をする人の中には、「悟り」などといった特別な状態になることを目指す人もいます。(注2)しかし、このような特別になりたいという欲…

「瞑想、人格意識、言語、そして、発達障害」に関する私論/試論

本稿の構成1 はじめに 2 扁桃体と自己防衛本能 3 人格意識の起源=自己の肉体の維持 4 言語(概念)の起源=自己の肉体の維持 5 人格意識及び言語活動による不安感の生成、そして、瞑想による改善 6 発達障害との関係 1 はじめに 瞑想、言語、人格意識(自我…

「瞑想/仏教と神経的多様性」に関する素描

「人が仏教や瞑想にはまりこむ要因は何か?」が私の個人的なテーマの一つです。単純な興味のほか、仏教や瞑想にはまりこむ人に、何らかの心の問題があるのは間違いなく、その要因を探ることは、私自身や私の子供等家族に心の問題が生じることを防ぐ方法を検…

「瞑想/仏教と家族」に関する素描

瞑想や仏教の問題は、私にとっては、親子関係を中心とする家族関係の問題でもあり、さらには、恋愛や性愛にも連なる問題でもあると考えていて、現時点での自分なりの考察をまとめてみました。 本稿の構成 1 はじめに 2 親子関係と心の問題 3 親子関係の問…

禅の修行は禅的人格を生み出せるか~瞑想と情動発現の低下

「とある禅僧に会ったところ、それまでの禅僧に対するイメージが変わった」との非禅宗系の僧侶の人のツイートを目にしました。 元々の禅僧に対するイメージが余程悪かったのでしょうか。 昔から、禅僧の人格に対する批判をする人は相当いることから、悪い禅…

求道っぽいことをしていた頃~上座仏教と大乗仏教とを統合したという瞑想指導者編

一時期、色々な瞑想会や坐禅会を巡っていたことがありました。 四十代になり、中高年の孤独に問題意識を感じるようになって、仕事と家族以外での人間関係を構築する上で、今更一から新しい趣味を始めるのも何であるし、坐禅なら座っているだけだから手軽であ…

仏教における生命/世界の否定と肯定

釈尊の教説は、一切皆苦を基本原理とし、生命否定の思想と言われる。 しかし、日本の仏教界では、生命を肯定する言説が目立つ 仏教における生命、そして、世界の否定と肯定 その関係を整理してみた。 本稿の構成 1 問題の所在 2 原始仏教・上座仏教におけ…

「調心」その問題性――坐禅の生理学的効果(5)

坐禅の構成要素は、「調息」、「調身」、「調心」といわれますが、「坐禅の生理学的効果」の記事では、(1)から(3)までで「調息」を、(4)で「調身」を取り挙げました。 (5)として「調心」を取り挙げます。 これまでの記事○「扁桃体の活動の低下――…

姿勢を正すことによるテストステロンの分泌等――坐禅の生理学的効果(4)

坐禅の生理学的効果に関し、これまでは、いわゆる「調息」の問題について、次のようなテーマで触れてきました。 「扁桃体の活動の低下――坐禅の生理学的効果(1)」 ○https://ztkbtkmtk.hatenadiary.com/entry/2021/11/23/144342 「扁桃体の活動の低下による…

呼吸回数の減少によるその他の効果――坐禅の生理学的効果(3)

坐禅の生理学的な効果として、既に呼吸回数の減少による「扁桃体活動の低下」について触れました。 ○https://ztkbtkmtk.hatenadiary.com/entry/2021/11/23/144342 ○https://ztkbtkmtk.hatenadiary.com/entry/2021/11/30/204146 本稿では、坐禅の際の呼吸回数…